2018年1月23日火曜日

2017年個人的Game of the year




去年に引き続き、2017年中に発売されたゲームではなく、
2017年にPlayしたゲームが選考される。
大神HDやデジモンなどを遊んでいたせいで年明けどころか、ここまでずれ込んでしまった模様


  • ベストアクション部門:Cuphead

初トレーラー時から期待に期待を重ねた、生まれるべくして生まれた名作。
高難易度なゲームプレイ以上に、圧倒的な美術センスが暴力として襲い掛かってくる


一つのボスにつき、幾つもの形態変化を持っており、
形態変化毎に多様なビジュアル変化をもたらすが、
そのビジュアルの変化こそが難易度に繋がっている。
初見では度肝を抜くようなビジュアル攻撃を駆使して殺されるのは、最早ご褒美とも言えるだろう。



遊んでいて手応えのあるゲームプレイに、見ているだけでも楽しいビジュアル
そのビジュアル自体がゲームプレイに深く影響しているのは、プレイすればわかるだろう。

本作はただビジュアルが良いだけのタイトルではない、ビジュアルとアクションが融合した名作なのだ。

  •  ベストコンバット部門:TitanSlayer

さて、本作のタイトルは知らない人も多いだろう。
本作はコロプラがリリースしたVR専用のアクションゲームとなっている。
VRでは屈指のコンバットゲームとなっており、恐らくは「Devil May Cry」に深く影響を受けていると思われる。


本作にはスタイリッシュ評価システムが採用されており、
敵を攻撃したり、コンボをキメたり、敵の攻撃を防いだりと
特定のアクションを起こすと戦闘評価が上がる。
そのランクはAランクやSランク、最大はSSSランクとDevil May Cryを彷彿とさせる。
しかし、敵の攻撃を防ぎ続けると「チキン」と評価され、最低評価に落ち込む。
逆に敵の攻撃を剣で叩き落としたり、弾き返せば大幅に評価が上がる。



VRゲームは一種の「なりきりゲーム」だ。
かっこよく動こうとすれば、ゲームの中でもかっこよく動け、それが楽しさに変わる。
スタイリッシュに戦えば戦う程楽しくなるのだ。

他のゲームと違い、剣もしっかり振り切らないとダメージは出ないし、
ボスの攻撃を盾で防ぐと、その反動で盾が吹き飛ばされるので、防御一辺倒にならない。
更にはボスはどれも超巨大で、攻撃パターンもいくつもあり、しっかり見切らないと倒せない 。
敵の攻撃はしっかり横に飛んだり、しゃがんだりと、
ルームスケールを使い部屋を移動して回避する。



そう、本作はVRゲームに落とし込んだソウルシリーズと言える。
超巨大な敵を相手にスタイリッシュに戦い、戦闘評価を貰えるソウルシリーズの戦闘をVRで行うのだ。
楽しくないはずがない。



武器もそれなりに種類があり、全身4つ装備出来、ある程度の組み合わせが作れるので好きな戦い方が出来る。
ステージは3つしかないが、安価で手も出しやすく、接待向けである。
今年最高のコンバットゲームだろう。

  • ベストホラー部門:DuckSeason
こちらも馴染みがないタイトルだろうが、やはりVRゲームだ。
内容としてはFCソフト「DuckHunt」を思い浮かべてもらえば良い。
というよりもそれそのもののVRゲーム化と思ってもらえば良いだろう。


 ゲームは猟銃で鳥をハントしていくプレイを主軸にしており、
ノルマを達成すると、現実の部屋に戻ってきて
イベントを見たり、テレビを眺めたり、別のカセットでミニゲームを遊ぶ事が出来る。


それだけなら、「それだけ」のVRゲームで終わるのだが、
現実とゲームの間を行き来する毎に、どんどん日常が侵食され、歪になっていく…
本作にはVRゲームでしかなし得ないストーリーテリングが用意されており、
中盤からの展開は必見だろう。


本作を遊ぶのであれば事前情報は入れず、公式トレーラーなども見ずにプレイしてほしい。

  • ベストストーリー部門:LISA The joyfull/Painfull

知る人ぞ知る、名作RPG。
「Undertale」がとても日本的なアプローチで攻めてきたRPGであるが、
反面本作LISAシリーズはとても海外的なアプローチで攻めてきたRPGである。
どちらも「Love」を題材にしている。



その昔、とある出来事がきっかけで世界から女性が消えてしまった。
その結果人類は衰退し、滅びの一途を迎えていた。
主人公はJoyと呼ばれるクスリを常用しているおっさんだ。
そのヤク中のおっさんが、ある日赤ちゃんを拾う事となる。
拾った赤ちゃんは絶滅したはずの女であり、主人公は周囲の人に「女の子」と隠し続け彼女を育てる。
しかしそんな彼女が何者かにさらわれた。
最愛の娘とも言える存在を取り戻しに行く事を決意する、というのが本作のプロットだが
本作はそんな単純な話ではない。




主人公はヤク中を含めて多大な罪を背負っており、娘への愛を貫く為には多大な贖罪を求められる。
ストーリーの道中でモラルを問われるいくつもの選択がある。
 娘との愛を貫く為にJoyの服用をやめようとするが、
人質となった娘を開放する代わりに娘の目の前で、Joyの不器用を強制させられるなど…
そのどれを選んでも正解はないし、(自分にとって)最良の選択を選んだとしても、
後々「最悪な形」で自分に降りかかる事となる。





サブイベントの数々はギャグテイストで明るいが、本筋はおふざけなしのドが付くほどのシリアス。
思わず人に話したくなるような、心揺さぶられる衝撃な展開も多々ある。



またエンディングに関してだが、それまでの主人公の旅での行いを
プレイヤー自身が振り返り 、主人公(=プレイヤー自ら)を救済するか、断罪するかを選択する事が出来るというとても珍しい選択が待っている。

主人公が救われようと、報いを受けようとも、
その旅は短いながらも一生、心に何かを残す一本となるだろう。

  • ベストハートフルボッコ部門:蒼き雷鱗ガンヴォルト爪




元々このシリーズは好きではない。
「青」と「赤」のヒーローが好きなだけだ。
前作も遊んでいるが、ゲームプレイはあまりツボに入らず、爽快感もそれほど感じず、
価格帯を考慮すれば凄い出来だね、と言う評価だった。
今作もそうなるはずだった。


前作で立ちはだかった「赤」のヒーロー、アキュラがプレイアブルキャラとして追加されたのだが、
このキャラがとにかく操作感が良い。
長距離空中ダッシュが出来るのだが、この空中ダッシュを敵に当てると、再度ダッシュが可能になるシステムがあり
超高速でステージを駆け巡る戦闘が可能となる。

更にはサブウェポンに近接用セイバーがあるので、
長距離空中ダッシュ>セイバーで瞬殺>更に別の敵に接近、と言った行動が可能だ。
その様はかつての「赤」のヒーローを彷彿させる。
ゲームプレイとしても進化して、「青と赤」の幻影に近づいた。



そして特筆すべきは、ストーリーだろう。
前作の時点で主人公・プレイヤー共にかなり「渋い」結末を迎えたのだが、
本作ではそれを更に超えて、文字通り「爪痕」を残す結末が待っている。
W主人公、プレイヤー全員が誰も救われずに、心が折られ、その結末が爪痕として残る。
しかし完全なハッピーエンドで終わっているのがますます辛さとして襲いかかる。
あの最高の最終決戦で心を折られたプレイヤーは多い事だろう。

最高のゲームプレイに、人によってはトラウマとして残る展開が心に残ったので入選となった。
文句なしのおすすめタイトルだ。

  • ベスト音ゲー部門:Airtone


こちらもVRタイトルとなる。
VRでのリズムゲーム、所謂音ゲーはいくつか存在する。
手持ちのmp3ファイルを使い、譜面がランダム生成されるAudio Shirld。
youtubeの動画を使い、プレイヤーが譜面を制作し、シェア出来るUGCタイプのSoundboxing。
そしてこのAirtoneが三本柱だろう。

しかしAirtoneはクオリティが頭一つ抜きん出ている。
価格を考慮すれば当然ではあるのだが。



プレイヤーが譜面を作るUGCではなく、製作者が譜面を作っているタイプのVR音ゲーだが、
楽曲は本作の為だけに作られているのだが、どれも楽曲としてのレベルが高く、
アーケードで稼働している音ゲーで使われていてもおかしくないクオリティだ。
楽曲も25曲あり、難易度が3つあり譜面も違う。
最高難易度となれば、日常的に遊んでいる音ゲーマーでないと厳しいだろう。
初心者から上級者までカバーしているのは嬉しい。


熟練のプレイヤー向けに実績システムも完備しており、隙がない。


オプションも充実しており、曲・効果音の個別設定から、
ヒット音の変更なども出来るようになっており、充実のオプションが実装されているのは嬉しい。
なにげにVRゲームではメニュー画面に戻る動作や、オプションの項目など、
既存ゲームでは当たり前の存在がなかったりするからだ。




そしてVRゲームとして嬉しいのがヒロイン「ネオン」の存在だ。
本作にはプレイヤーの部屋とゲームプレイを行き来するのだが、
プレイヤーの部屋には小物が置いてあり、それで遊ぶ事が出来たり、
その小物に対してネオンのコメントが聞く事が出来る
ゲームを進めるとネオンと会話して、ストーリーが進んだり、更に小物が増えたりと、
このプレイヤーの部屋で休憩出来るようになっているので、
HMDを付け続けたくなる工夫が存在するので、その世界での居心地がとても気持ちよく感じられる。



またネオンは楽曲を演奏している間、常にプレイヤーの周りを飛んでいて、
それが視覚的にとても楽しい。
ストーリーの終盤では、その一緒に飛んでいる演出を利用した「ぐっと来る」演出が用意されている。
その演出はVRでしか出来ない物であり、ストーリーも良い。
彼女が居なければストーリーを完遂する事はできなかっただろう。
本作は絶対にプレイするべきタイトルだ。



  • ベストノスタルジック部門:ドラゴンクエスト11-過ぎ去りし時を求めて-



超ビッグタイトルすぎて、本Blogでは扱うには腰が引けるのだが、
心に響いたので選考せざるを得ない。
ゲームに関しては最早説明不要だろう。


ドラゴンクエストといえば、堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういちの三人が集まったブランド作品だ。
その三人における「ドラゴンクエスト」の完結編とも言える内容を扱っており、
真のエンディングではドラゴンクエストシリーズ全てを内包するような展開を行うのも素晴らしい。
筆者は思わず真のエンディングで涙を流してしまった。



展開としてはありがちであり、セリフも特別凄いというわけではない、はずなのだが、
過去の記憶を刺激したノスタルジック効果は絶大だ。
あの数分のエンディングムービーを見る為に、これまでのドラゴンクエストシリーズを遊んでいたと言っても過言ではなかった。
また節々に存在する過去作のオマージュがそれを助長させている。
クリアまでと完全クリア後との評価が天地の差という珍しいドラゴンクエストとなった。


シナリオ自体もそれまでの一般的に想像するであろう7までのドラクエとは違い、
個々のオムニバス冒険譚、のようなものではなく、
伏線がびっしり張り巡らされた一本筋の物語。
つまりはファイナルファンタジーの作りに近い形となっている。
今までのドラクエではないのだが、確実にドラゴンクエストしており、
シナリオ自体も面白く拒否感は全くないのが素晴らしい。
とても現代的なドラゴンクエストになっている。


ノスタルジックを刺激する展開は、近年だとダークソウル3などが存在したが、
数十年にも及ぶノスタルジックを刺激する本作は、それらの比ではない程の破壊力であり、
他のシリーズでは到底マネ出来ないだろう。
当然の入選となった。 


  •     セミGame of the Year
NEWダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期


「ビデオゲームの中での殺人は許されるのだろうか?」

アクションやRPG、シューターなど、
いくつものタイトルが問いかけてきた問題だ。
しかし事、ダンガンロンパというタイトルに関しては、
プレイヤーが「殺す」という概念は存在しない。
何故ならプレイヤーは「殺す」事もなければ「殺される」事もない。
彼らのコロシアイを俯瞰する立場がプレイヤーだから。 
ならば、我々…傍観者足り得るプレイヤーは…


…閑話休題。
これは悪魔が作ったゲームだ。
世界観を一新したといいつつ、過去作をプレイ必須の展開上等。
過去作とは繋がっていないが、遊んでいないと色々な意味で楽しめないだろう。
アニメ版のダンガンロンパ3は1と2から続く「希望ヶ峰学園」シリーズの完結編を描き、
賛否両論ながら大団円を迎えて、いい着地をして完結した。
シナリオライター曰く「究極のファンアイテム」という展開だ。
過去作の事を考えると最後がバッドエンドというのも気分が晴れないのでこの結末がいいだろう。



反面本作「V3」では、 「希望ヶ峰学園」シリーズとは無関係なので、やりたい放題の単体で話がまとまる。
「嘘」をテーマにした本作、その「嘘」で塗り固められた世界に、3以上に賛否両論となる。
最後の裁判で明かされる、あまりにも残酷な「嘘」と「真実」は途中で死んでしまった方が救いとも思える程。


1と2が生ぬるいと思える程の地獄をキャラクター達は味わい、プレイヤー達はチームダンガンロンパという悪魔が作った悪意を直接全身に浴びることとなる。
如何にダンガンロンパ3がファン向けだったかがわかる。
本作はただ地獄が待ち受けるだけだ。
こんな展開をファンが多い「希望ヶ峰学園」シリーズでやっていれば大変な事になっていただろう
新規キャラだけで回した本作ならではの展開ではある。


その地獄は最初の1章で嫌というほど味わうだろうが、最終章はそれを超える地獄が待っている。
あまりの悪意にシリーズを否定された思うファンもいれば、シリーズ自体に興味を失うファンも居た。
だが、勘違いしないで欲しい。
本作は過去作を否定しているが、それと同時に最大限に肯定している。
表面上のものにだけとらわれるのだけでなく、本質を見失わないで欲しい。

とにかく尖っている、合う合わないがこれほど出る物語もない。
シリーズの中でも最も文学性が高く、ビデオゲームという媒体を使った文学作品とも言えるし、
ここまで直接的なメッセージをぶつけてくる作品もない。



ダンガンロンパ1・2を遊んで「面白かった」「楽しかった」
次の新作は誰が生き残って、誰が黒幕なのか、どんなトリックの殺人が飛び出すのか?
と、思ったプレイヤーも多いだろう
1や2のような胸を打つ展開、希望と絶望を主軸にしたカタルシスのある熱いラストバトル…
それらに心躍ったプレイヤーも居るだろう
しかし、過去作を遊んだそんなプレイヤーこそが本作の終焉を見届ける必要がある。

例えフィクションである、ゲームの中のお話だとしても、
彼らが命をかけて戦った事は事実であり、散っていった者達の思いは、私達の心の中に刻み込まなければいけない。


本作は単体で完結しているし、過去作とは関連性はないが、過去作を内包した上でのシリーズ完結編とも言える内容となっている。
希望と絶望との戦いは「希望ヶ峰学園」シリーズは終結した。
過去作を否定した上で、過去作を肯定しきった矛盾じみた存在。
その矛盾を言霊で撃ち貫き、本作はダンガンロンパ自体を終わらせる事となる。
無限に続く希望と絶望の終わりのない永遠の戦いに終止符を打つ事となる。

ダンガンロンパという物の再定義を行い、ダンガンロンパの未来を描く
シリーズをプレイしてきたプレイヤーは、本作を遊んで、シリーズに別れを告げないといけないのだ。

何が真実で、何が嘘かなんて関係ない。
この作品の本質を見抜き、それを受け取る。
そして、ダンガンロンパという世界で生きた彼らの命をかけた戦いを胸に刻む。
彼らの命を武器にした戦いを無駄にしてはいけない。

これから何があろうとも、ダンガンロンパが作られない事を願い続ける。

「さよなら、ダンガンロンパ」

  • Game of the Year 2017:NieR:Automata


全ての存在は滅びるようにデザインされている。
生と死を繰り返す螺旋に……「彼等」は囚われ続けている。

…インターネットの本質とはなんだろうか?
善意?悪意?カオスの集合体?
心温まるインターネットのエピソードもあれば、
他人の人生をぶち壊すような悪意の塊のようなエピソードも多々ある。
むしろ、そちらの悪意の方が多く目にする機会が多いだろう。
現在日本のインターネットでは言論統制は行われておらず、自由な発言が可能となっている。
気をつけていても悪意がある発言をしてしまう事は自分自身ある。
そんな発言の自由が許されているインターネットの世界で、
もし、国境を超えて、世界中の人々が他人の事を思いやり・労る事が出来る世界があれば…
他人を罵倒する事が出来るとしても、誰も罵倒せずに、他人を思いやる事。
それが一時的だとしても、それはとても美しい、素晴らしい事だと思う。
そして、 ビデオゲームという媒体は、
言語という国境の壁を超えて、世界を一つに繋ぐ力があると、私は信じている。
…閑話休題。


前作「レプリカント」とは比べ物にならない売上を達成し、
累計販売数200万本を記録した、スクエニの新たな救世主がGame of the Yearに輝いた。

本質的には上記のNEWダンガンロンパV3 -みんなのコロシアイ新学期-と似ている、と思う。
両作を遊んだ方には言いたいことはわかると思う。
NEWダンガンロンパV3 -みんなのコロシアイ新学期-は偉業だ。
本作、Automataと同じくらいの完成度と素晴らしさを誇っている。
しかし、尖りすぎた結果ゲテモノ好きだけが好むようなタイトルになっている。
文学作品として高み目指しすぎた結果、高みに到達はしたが、ゲームとして少々残念な部分もあり(これは意図的な物である)
Automataが万人受けする手法と結末、更にはしっかり「ゲーム」していた事を考えると、
Nier:AutomataがGame of the Yearに相応しいだろう。
先程も言った通り、どちらも素晴らしく、Game of the Yearに相応しい完成度だ。
ふさわしさ、でこちらが選ばれただけなので優劣を付けるものではない。
グラフィック、世界観、音楽、プレイフィール全てが高いレベルで整っている。
「ゲーム全体の完成度」という点ではNEWダンガンロンパV3-みんなのコロシアイ新学期-ではなく、本作であるこちらに軍配が上がるので、本当に僅差でこちらがGOTYになった。


 NieRといえば前作が評価されている。
最終エンディングを見る為にはゲーム史上屈指の仕掛けを受けなければなく、当時は各所でかなり話題になった。
そんな前作「レプリカント」で行った衝撃的な展開を超えられるとは思っていなかった。
そんな低いハードルではあったがAutomataはとんでもない跳躍力を発揮していた。

戦闘システムだが、本当の意味でシンプルで簡略化された戦闘システムで、流石プラチナゲームズ開発といった所だ。
弱攻撃と強攻撃にそれぞれ武器を割り当てるのだが、弱と強のどちらに武器をセットするかでモーションが変わってくる。
また同社開発の「Bayonetta」のようなディレイや複雑なコンボルートは存在しない。
「Bayonetta」の戦闘をシンプルにアクションRPGに落とし込んでおり、
ガッチガチのアクションゲームではなく、
あくまでRPGの戦闘をアクションに落とし込んでいる、というのが初心者でも遊びやすい。
だからといってアクション上級者が満足出来ないかと言うとそうでもない。
武器切り替えや各種隠しコマンド技などを駆使すると、「Bayonetta」のようなスタイリッシュスラッシュアクションと遜色のない魅せプレイが可能となる。



NieR:Automataでは周回する毎によりプレイルートが変化するシステムを採用しており、
初回遊ぶAルートでは2Bを操作し、エイリアンとの戦いを終わらせる戦いを…
クリア後に遊べるBルートではパートナーである9Sが裏で何を行っていたかが分かる。
そしてBルートが終わった後では、エイリアンが居なくなった後の世界での戦いを描く。
戦うべき敵が居なくなった世界で何と戦うのだろうか…?
誰が誰と戦い、何のために戦っているのかわからない世界で、
プレイヤーは、知ってはいけない残酷な真実に踏み込んでいき…
そんな禁断の道に踏み入っていく展開のストーリーも秀逸なのだが、


それ以上に秀逸なのはやはり、この世界を生きるキャラクター達だろう。
本作Automataにおけるストーリーはキャラクター達が自然に動いた結果がストーリーに結びついている形となっており、非常に感情移入出来る。
そしてプレイヤーが2B達を好きになる事こそがストーリーの肝となっている。
我々が彼女らを好きにならないと成立しないストーリーなのだ。
そういう意味では発売前のプロモーションで2Bが各所で話題になって、見た目が好きという意見が多数出たは興味深い

2周目をクリアした後の展開こそが真の機械人形達の宴となっている。
前半であるA・Bルートで積み上げた物を全て爆発させるのが素晴らしい。


NieR:Automataはここまでならばいつもの出来の良い「ヨコオゲー」くらいで終わるし、
前作の方が良かったなーという意見もあると思う。
しかし本作Automataはそんなプレイヤーのハードルを軽々と跳躍して飛び越える。

命を賭けて、最悪の物語を突き進んだ彼女達。
そんな姿に心打たれる。
しかし、これは最悪の物語だ。
起きてしまった事はもう変える事も出来ない。

 
それは前作「レプリカント」の最後のエンディングを見ればわかるだろう。
でも、それでもプレイヤーは命を賭けて戦った彼女達の事を救いたい。
だって彼女達の事が好きだから。だから助けたい。
それはこのゲームを遊んで、最後の結末を迎えたプレイヤー全員が思うだろう。
 …だからこそ私は、私が求めた救済の為に立ち上がる。
勝てる可能性は限りなく薄い、奴らの手にかかれば私は無力だ。

 全ての存在は滅びるようにデザインされている。

「お前は一人か?反対に、世界中のみんなが応援しています。」

生と死を繰り返す螺旋に……「私達」は囚われ続けている。

「最初は何かの間違いかと思った。言い換えてみれば、私は応援している。」

だからこそ、必死で生きて生き抜いて、最後までしつこく足掻き続ける。

「2Bも9Sも命を賭けて戦った。せめて、大切なものの為に戦え!」

私達には同じ志を持った、200万人の仲間が居る。
こんなに心強い仲間は居ない。
だから足掻き続けよう、…最後の瞬間まで…本当の結末を見に行く為に。
「ー未来を獲得する為に」



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