2016年12月4日日曜日

HTC VIVEを購入してから2ヶ月経ったので雑感


未来が、来た。

VRによって訪れる魔法の感動と、それに伴う現実の問題。


今年の9月下旬、ついにHTC VIVEを購入した。
知人の要らなくなったOculus Rift DK2を譲り受けて、
それを使っていたのでVRの魔法自体は知っていた。

元々はゲームとは別に、とある目的の為にDK2を入手して使っていたが、
やはり人間、ゲームが遊びたくなってしまう。
しかし、SteamストアやOculusストアを見ていても、
Oculus向けのゲームのリリース自体が少ない。
面白そうなタイトルに限って、VIVE専用だったりする。

その理由としてはハンドデバイスの付属だ。 
OculusのハンドデバイスであるOculusTouchは、
執筆時点ではリリースされておらず、ゲームパッドかキーボード・マウスでの操作が要求される。
はっきり言って、VRとの相性は良いとは言えず、やれる事も少ない。
そもそも没入感も段違いになってくるのだ。

OculusTouchがリリースされれば、この問題は解決するはずなので
これから先はVIVE一択という状況ではなくなると思われるので、
VRに興味がある人は、Touchの発売を待ってみるのも良いと思う。

しかし、筆者はそれを待てない。
というわけで、いっその事VIVEを買ってみる事となった。

さて、各所で時間がかかるだとか、面倒だとか散々な言われようのセットアップだが、たしかに時間はかかった
説明書熟読、公式のセットアップガイドの動画を見ながらの設置…
それらを行うだけで1時間30分程かかった。
スムーズに進んで、それくらいの時間がかかったので、
何かしらのトラブルがあると、到着して1日目は遊べないと見ても良いだろう。

その為、VIVEが到着するまでベースステーションの設置場所や、
コンセント穴の確保に部屋の掃除などを行うと良いだろう

無事セットアップも終了し、ゲームを遊んでみる。
流石ルームスケールは凄かった。
自分の部屋を歩くと、ゲームの中でも歩く事が出来る。
これがどれだけ凄い事かは、ゲームをよく遊ぶ人ならわかるだろう。

更には付属のハンドデバイスの面白さだ。
ハンドデバイスを使う事により、ものをつかむ事が出来る。
自分で歩いて、手で物を掴んで…と、現実で出来る動作をゲームの中でこれが出来る
これがどれほど凄いか。
更にはこれが出来るか出来ないかで、没入感は大幅に変わってくる。
DK2までのOculusはVRといっても「VRを眺める」だけしかできなかったのが、
ハンドデバイスとルームスケールのおかげで「ゲームの中に入っている」感覚が凄い
Oculusを買った人でも、センサーを追加購入してルームスケールを導入するべきだと思う
しかしVRの魔法でも何ともならないのが、グラフィックだろう。
DK2とVIVEだと解像度が段違いで、グラフィックの向上が目に見えてわかる。
しかしながら、やはりボケている感じもある。
まだレンズを見ている、という感覚が残る。
それでもまだDK2より綺麗、と言った所だ。

そこで内部解像度を上昇させると、HMD自体の高い解像度も相まって、
グラフィックが段違いに綺麗になり、それこそ真の「バーチャルリアリティ」になった。
「レンズの中の世界を見ている」のではなく「世界に入り込んでいる」のだ。
しかし、GPUへの負荷はとても凄く、ゲームによっては90fpsに満たない事も。

はっきり言ってしまうと、今のゲーミングPCの性能ではVRは厳しいと思わされた。
1080と6700Kを使ってこれだ。
1070ならまだマシだが、1060でVRを遊ぼうと思うのであればグラフィックはかなり厳しいだろう。
1060でVRを遊ぶのであれば、それこそPSVRを買った方が良いかもしれない。

そして、VIVEのHMDの解像度は高いし綺麗だ。
それでも肉眼で見るのであればまだまだ解像度不足だと思うし、
HMDの解像度を上げてしまうと、今度はGPUのパワーがついていけなくなる。
綺麗なVRを楽しむのであれば、1080の1.5倍程のGPUパワーが必要なのではないだろうか。
現状のVRは、HMDの解像度もそうだが、それ以上にGPUの力不足を感じた。

最新GPUであるGTX1080ですら力不足と感じるのだから、
PSVRではまともなグラフィックは拝めないのではないだろうか
スタンダードPS4のVRは解像度をかなり落として動作させており、
PS4proでのVRでも精々ネイティブ解像度での動作が関の山だろう。

それならばデフォルト設定のVIVEとどっこいどっこいであるだろうし、
まともに見れるグラフィックではあるだろうが、綺麗ではない。
コストパフォーマンスの面で言えば十分なのだろうが。
それでも内部解像度とルームスケールを犠牲にした上での没入感は何とも言い難いだろう。

結局のところ、VRを楽しみたいのであれば、
HTC VIVEかOculur Riftを選択するしかないだろう。
しかし、余程の新しいもの好きや、最新ハードウェアが好きな人でもない限りは、
まだVRの世界に飛び込むには早いだろう。

上記の通り、HMDもGPUも未成熟であり、力不足。
現状のVRに手を出すのは早計である。
はっきり言って金持ちの道楽だろう。

だが、それでも手を出してみる価値はある。
それこそ、あなたの部屋に未来が来るのだから。

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